首導月訓 令和6年の月訓

首導月訓(令和6年7月)


◆日蓮仏教の信仰は、妙法蓮華経の五字を信じる絶対信である。私たちの信心が絶対であれば、本仏のご加護もまた絶対である。安心立命(あんじんりつめい)とはこのことである。

◆日蓮仏教の道は、天地和合の道である。人が此の世に生きる限り、是が非でも守らるべきがこの道である。だから絶対なのである。

◆人間の幸福は、結局のところ「和」から生まれる。和とは複数のものが一つになることである。異体同心、一つの心になることである。絶対とは、一つになるから絶対なのである。

◆「思いやり」も「親切」も、「務める」も「励む」も、全ては「和」を作るための方法である。そのように生きることが尊ばれるのは、それが和への道であることを、意識せずとも誰もが知っているからである。

◆しかし、人の実際の生活は、それと反対のことばかりしているのが常である。自分に出来ることを面倒臭がって他人に押しつける。誰かと約束するのに自分の都合ばかりを振り回す。他から依頼された仕事を、御座なりにする。自分が優位な立場にある時、それを笠に着る。自分の誤りを隠そうとして、弁解ばかりする。

◆自身を正直に見つめてみれば、どれほど自分に寛大で、他者に厳しくしているかに気付かされる。自分が良い子になろうとして、他者を傷付けているのである。これでは和は永遠に訪れない。

◆「(いか)るは地獄、(むさぼ)るは餓鬼、(おろかなる)は畜生、諂曲(てんごく)なるは修羅」(『観心本尊鈔』)。この四悪の心こそが、和の大敵である。四悪の心を無くすことは出来ないが、四悪の心を持ってしまう自己を省み、四悪の心を制御するように心を向けることが、和の道を歩むことである。

◆和の道を歩き始めれば、その歩みの快さ、喜び、その道の正しさを感じずにはいない。お題目を唱えて和の道を歩めば、ご本仏の加護は疑いない。安心立命はすぐそこである。
日蓮宗聖徒団首導 髙佐日瑞

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