首導月訓 令和元年の月訓

首導月訓(令和元年12月)

◆日蓮大聖人さまは、人開顕の書『開目鈔』で「当世日本国に第一に富める者は日蓮なるべし。命は法華経にたてまつる。名をば後代に留むべし」と仰った。富とは何であろうか。無論それは金銭ではない。

◆俗に「命あっての物種」と言う。人にとって、命ほどの富はない。生命と引き替えであるならば、何人も、巨万の財富をも捨てることを辞さないであろう。

◆たとえ世界第一の財産を持っていたとしても、人は死すれば、裸一貫の死骸となる。過ぎ去ってみれば、美衣、美食、美住、名誉、地位、栄華、歓楽等々は、夢の如きものでしかない。いかなる王者も、死すれば最も貧しい人と同じである。

◆しかし、永遠の生命のうちに入ることができるとしたならばどうであろうか。人生の全ての意味が変わって来るであろう。だとすれば、真に人生を楽しみ、安心立命の境地を開こうとするならば、先ず、永遠の生命を求めるべきである。

◆そんなものが手に入るのか、と疑問に思う向きもあるかもしれない。それを可能にする唯一の道が、法華経であり、日蓮仏教なのである。

◆永遠の生命とは「総和の人格」である。「総和の人格」とは、全ての人の中に自分の生命を見出すことである。法華経本門寿量品無作三身の本覚の如来に真に帰依すれば、必ず永遠の生命に入ることができる。人生の万事はその後のことである。久遠の長寿という富に比すれば、財富も権力も、比較の対象にもならないであろう。

◆法華経に命をたてまつり、名を後代に留めるとは、永遠の生命を得ることである。どんな富もこれに過ぎる富とはなりえない。心すべきである。

日蓮宗聖徒団首導 髙佐日瑞

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