◆人格とは、己の意志をもって己れの行動を律し、己れの行動に対して己れが責任を持つことである。責任とは、己れからでたものが己れに還ることを素直に受け容れ、因果の道理に従って常に最善の行動を取る正々堂々たる態度をいう。
◆最善の行動とは、ご都合主義によらず、誤魔化しを用いず、あくまでも道理に従って後悔しないことである。人間の価値は、この責任感の厚薄によって定まる。ゆえに、これを人格(人間の資格)という。人格のないものは、不幸を嘆く資格もないと考えなければならない。
◆なぜならば、人生の幸不幸は責任感の厚薄から生まれてくるからである。家庭にせよ、職場にせよ、人間の集まるところには道理のみが物をいう。道理に外れた行動をして、道理に叶った行動をしたのと同じ結果を得ようとしても、それは許されない。
◆不幸とは、先天的な宿命にせよ、後天的な因果応報にせよ、おおよそ道理に順わなかった報い以外のものではない。神も仏も、横道の者には与しないことを知らねばならない。ゆえに幸福を得ようと思えば、責任感を厚くして、人格を高める心掛けを持つべきである。
◆責任感とは、己れのしなければならぬことをして、してはならないことをしない律儀の心掛けである。それができれば、既に立派な人格の持ち主である。だが、本当の責任感は信仰のないものには現れない。人格とは寿量ご本仏だからである。