正確に申しますと、昨年三月の「創祖」の項の二回目でご紹介した通り、創祖が昭和13年に始められた「皇道佛教行道会」において、既にこの信行は掲げられていました(聖徒団の教えの骨格は、皇道佛教行道会当時とほとんど変わっておりません)。
「三規六則の信行」は、「三規の信」と「六則の行」とに分けられます。
三規の信とは、禮拝・敬人・奉仕の三信です。
「禮拝信」とは、大曼陀羅ご本尊に対する至心の禮拝を言います。
いついかなる場所においても、心にご本尊を念じ、口に題目を唱えるならば、必ず霊験を得ることができます。
大曼陀羅ご本尊を中心とする神佛、特に倶生霊神が、直ちに神通力をくだしてくださいます。
禮拝は、神佛と感応道交するただ一つの道だからです。
「敬人信」とは、信仰の上から、人を敬うことです。
私たち一人ひとりは、姿形は凡夫ですが、同時にその本質は、ご本佛の分身です。
他人の身中に神を認め、それを敬う。これこそ、崇高な信仰と申せましょう。
もし、私たちが、相手の人に神佛を仰ぐような清浄な心で向かうことができれば、いかなる人とも融合することができるでしょう。その先にこそ、総和の浄土が現前するのです。
日蓮宗では、常不軽菩薩の但行禮拝の精神に基づき、「いのちに合掌」のスローガンを掲げてご降誕八〇〇年の宗門運動をしておりましたが、創祖は八十年以上前から「敬人」を信の根本に据えておられたのです。
「奉仕信」とは、ご本尊に対する奉仕を意味します。