質問ちゃん
問 新日蓮教学は、何故「新」なのでしょうか?(東京都 80代 男性)
お答え上人
答 創祖行道院日煌聖人による日蓮教学を「新日蓮教学」と申します。教学の成り立ちがどうであるとかいうことは、聖徒の皆さんには、是非にも知って頂かなけばならない、ということではございませんので、本紙では余り用いませんけれども、創祖御自身がこのように呼称されました。
文字通り新しい教学なのですが、新は真でもあり、日蓮大聖人の真正なる教えを探究しようとするもので、新奇さをてらったものではありません。
従来の日蓮教学は、訓詁(字句の解釈。文章全体の意義を考えるのでなく、部分的な文字や語句を説明すること)に偏執する弊がありました。そして、門祖と呼ばれるような、大聖人以降の、教学に通じた方々の解釈を通じて、大聖人の教えを理解しようとして来たのです。
創祖は、「祖書直参」を掲げられ、「祖文によって祖義を解する」ことを提唱されました。余人の解釈をまじえるのではなく、大聖人のお言葉を大聖人のお言葉によって釈義せんとするのです。
また、現存する御遺文では祖意が盡くされていないことや、時代の制約を受けられているようなことがあります。後者は、特に科学の分野に関わることに散見されますが、そうしたことごとについては、最新の知見を導入して、大聖人が詮久されんとしたことに正当な会通を加え、教学の現代化を図って行くことが、法門を継承して行く者の務めです。このような、現代の門下によって開拓すべきを究明する「助顕教学」の研究を加えられたのが、新日蓮教学です。
その考究の成果の一つが、実は、九識霊断法なのです。