日蓮宗霊断師全国大会「第34回福岡大会」が11月6日・7日、草野法界会長の自坊である直方市代行寺を主会場に盛大に開催された。全国から約80名の霊断師が参集し先師に回向を捧げるとともに、浄仏国土顕現のため一層の正法弘布に努めることを誓願。会の発展に一層の結束を固めていくことを誓い合った。
1日目
静かな水面をたたえる池に面し、小高い丘から一帯を見渡すように伽藍を構える代行寺。雲に覆われていた空は開会を前に秋晴れとなり、小春日和に包まれた。
総会は午後2時に開会。荘厳な本堂に全国の霊断師が着座し、草野会長を導師に先師法要が営まれた。
草野会長が「本日ここに我等霊断師日蓮宗霊断師会会長住寺草龍山代行寺に相集い、先師の鴻恩に報謝するとともに、改めて邪法滅尽正法弘布の誓願を決するを以て、威徳を後世に遺すことを誓うものなり。仰ぎ願わくは佛祖三寶高祖日蓮大菩薩、創祖行道院日煌聖人、遷化霊断師覚霊、我等が誠衷を納受し、大慈大悲の加被力を以て佛願満足仏業成就、国土安穏万民快楽の大果報を得せしめ給へ」と奉告文を読み上げ、正しい教えをいっそう広めていくことを誓願。副導師を務めた永江尚幸理事会議長、竹内曜良福岡支部長の二師、相伝宗主の名代として髙佐日瑞伝師が香を手向け、参集した全員が続いて先師の遺徳を偲んだ。
法要後には新築されたばかりの客殿で霊断師決起大会が開催された。髙佐伝師から相伝宗主のお言葉が伝えられ、路次泰元最高顧問は「霊断師会の明日のために結束して頑張っていただきたい。この大会は日蓮仏教の布教の原点である新日蓮教学の柱であり、鋭意努力していくことを誓い合う機会となることを願います」と参集した霊断師に激励の言葉を贈った。
続いて座長に選出された竹内支部長が登壇。山崎浩道総局長が会の現状を報告し「発展に向かって一人ひとりが一層のお力を発揮していただくよう切にお願いします」と結んだ。
その後、決議文起草委員の水谷進護師(近畿布教区大阪支部理事長)、森下恵裕師(九州布教区宮・鹿・沖支部長)が、創祖の遺訓を体し異体同心を以て本化菩薩道を邁進する旨の決議文を読み上げ、採択された。
決起大会終了後、一行はバスで福岡市博多区にある日蓮聖人銅像護持教会へ移動。佐野前暁主管猊下からお迎えをいただき、境内にそびえる総高約二十二㍍の日蓮聖人大銅像を参拝した。
夕刻からは懇親会が宿泊先のハイアットリージェンシー福岡で催され、堀江宏正副会長が挨拶、竹内支部長が歓迎の辞を述べ、永江理事会議長が乾杯を行った。清興では福岡県無形民俗文化財の小倉祇園太鼓も披露され、和やかに親交が深められるなか上田智良理事が万歳三唱の音頭をとって締めくくられた。
2日目
二日目は「ベルリン国立美術館展」を開催中の九州国立博物館と、菅原道真公を祀る大宰府天満宮を見学し解散。全国の霊断師が結集し二日にわたって開かれた福岡大会は盛大裡に幕を閉じた。
再来年は創会六十周年を迎える。今大会の結集は、その節目に向かって力強い一歩となった。