霊断師大会 活動

日蓮宗霊断師大会第36回広島大会

日蓮宗霊断師会が昭和29年10月に開催された、第1回九識霊断法相伝講習会最終日に受講者総意のもと創立され、本年で60周年を迎えた。本会ではそれを記念して、去る10月9日・10日、会創立60周年記念式典 第36回日蓮宗霊断師全国大会を広島において開催した。

グランドプリンスホテル広島を会場に行なわれた記念式典
本山國前寺本堂にて奉行された法要
挨拶をされる草野法界会長

霊断師大会会場は当初、広島市安佐南区にある龍華寺(常任理事・疋田英順僧正)を予定していたが、8月20日未明の「広島土砂災害」によって大きく被災し、開催が危ぶまれた。

しかし、災いを転じて、広島藩々主・浅野家の菩提寺であった本山國前寺(疋田英親貫首)を会場に開催する運びとなった。

当日は、全国より総勢120余名に及ぶ霊断師が参集し、先師法要と土砂災害犠牲者の回向を捧げるとともに、広島土砂災害早期復興を祈願した。

その後、平和記念公園の原爆供養塔に移動し、堀江宏正副大会長導師に、原爆犠牲者追善法要を奉行し、グランドプリンスホテル広島では、会創立60周年記念式典が執り行われた。

式典では身延山久遠寺総務・井上日修猊下、日蓮宗宗務総長・小林順光猊下よりご祝辞を賜った。

その後功労者の表彰が行なわれ、続いて髙佐日瑞首導と草野法界会長の挨拶があり、中里勝禮副大会長による大会宣言によって、霊断布教にさらに邁進することを誓願、会発展に一層精進することを約束した。

大会1日目

大会当日は好天の下、午後1時より先師法要並びに先の8月20日未明に広島で起きた大豪雨による土砂災害犠牲者74名の追善供養・被災地早期復興祈願が草野法界会長導師のもと厳修された。法要後会場寺院である本山國前寺貫首疋田英親猊下は、「大勢の方の参加と盛大な法要に大変嬉しく感激致しました。先の土砂災害の被害により、本来の会場であった龍華寺は未だ厳しい状況でありますので、皆様のお力添いをお願いいたします」と挨拶された。

午後2時、広島平和公園・原爆供養塔へ移動し、堀江宏正副大会長導師のもと、原爆犠牲者追善法要が行われ、参加者一同戦没者を称えるとともに世界平和を祈念した。

続いて、グランドプリンスホテルへ移動し、午後5時より会創立60周年記念式典が開催された。

式典に際し、総本山身延山久遠寺総務・本山瑞輪寺貫首井上日修猊下からは「九識霊断法を世に弘められて60年、記念すべき年を迎えられたことは大変ありがたいことと存じます。霊山会上におきまして創祖行道院日煌聖人が必ずご嘉尚を下さっているのではないかと拝察します」と祝辞を述べられた。

引き続き、日蓮宗宗務総長小林順光猊下の祝辞を日蓮宗第31区宗会議員渡部康國僧正が、「この度、霊断師会創立60周年記念大会を迎えられますこと、まことい慶賀に存じ上げます。昭和29年、行道院日煌聖人により創立されました貴会においては、祖道直参し、常に宗門の興隆と檀信徒の教化に尽し、法華経宣布を続けられましたこと、深甚の敬意を表する次第であります」と代読された。

続いて霊断師会の発展に尽力された方々への功労者表彰が行われ、身延山久遠寺総務・井上日修猊下が代表し特別大功労として表彰された。髙佐日瑞首導は、「本日は第36会日蓮宗霊断師全国大会広島大会において、日蓮宗霊断師会創立60周年の記念式典を催しましたところ、お忙しい中を全国各地より120有余名の各聖にご臨席を頂き、感謝に堪えないところでございます。私ども霊断師は、本日の創立60周年記念式典を期して、改めて創祖ならびに草創期の諸聖人を思い起こし、本会と聖徒団の発展は、祖山及び宗門興隆の大道であり、寺門繁栄の最良の道であることを再認識して、一層奮い立って精進してまいらなければならないと存ずる次第でございます」と挨拶された。

続いて草野法界会長が挨拶された後、中里勝禮副大会長より大会宣言として「正真の題目の加護は受難の中にも明らかなり。九識霊断法、倶生霊神符より外、仏願仏業成就の秘妙法あるべからず。今こそ紫紺の幡旗を普ねからしめ、立正安国・四海帰妙具現に歩みを進めん。南無妙法蓮華経」と宣言された。

休憩を挟んで祝宴となり難波典基広島県支部長より「この度の災害に際し、全国霊断師各聖からの熱誠の思い並びに120余名もの本日参加の各聖の気持ちを頂きまして、霊断師会は一つであり、家族なんだという思いを改めて感じております。」と歓迎の辞が述べられ、永江尚幸理事会議長が壇上に上がられ、乾杯の発声がされた。

祝宴の最後に山崎浩道総局長より「今日に至るまでには、既に遷化せられた本会草創期の先師各聖が、産みの苦しみ、塗炭の苦しみを重ね、一段一段と会の礎を積み重ねてこられたお陰をもちまして、星霜を経ること、ここに60周年の佳辰を迎えることと相成りました。霊断師各聖におかれましては、今まで同様のご指導、ご鞭撻お力添えのほどを切にお願い申し上げます」と謝辞が述べられ、伊丹栄彰副会長より万歳三唱が唱和され盛大に幕を閉じた。

國前寺貫首・疋田英親猊下
國前寺ご宝前での荘厳なる法要
挨拶をされる疋田上人
  
髙佐日瑞相伝宗主・首導  身延山久遠寺総務井上日修猊下
   
副大会長         宗会議員
伊丹 榮彰僧正      渡部 康國僧正
   
日蓮宗・本会顧問弁護士   広島県支部長
来賓の長谷川正浩先生    難波 典基僧正
   
理事会議長        副大会長
永江 尚幸僧正      中里 勝禮僧正
堀江宏正副大会長導師のもと
原爆供養塔にて犠牲者追善法要

大会2日目

法要と記念式典を終了した翌日、参加者一同は宇品港から観光船に乗船し、宮島へ向かった。それぞれ日本三景の一つ厳島神社を観光。宝物館では、平家が納経した金字の法華経を拝することができた。

観光後、瀬戸内汽船に乗船。クルーズ中、疋田英順僧正より乾杯のご挨拶があり、「18年前、広島大会を開催したときも、会場に國前寺を借りて、2日目は宮島で全く々日程となりました。120余名もの参加者がおいでになり、もし龍華寺で開催したら収容しきれずに、ご迷惑をお掛けするところでした。

30年以上かけて作り上げた本堂と境内が一瞬にしてなくなりましたが、長生きしてもう一度作りなさいと、寿量ご本仏さまに言われているようです。これからも頑張ります」と挨拶した。会場にグランドピアノが設置されているのを見た草野会長が、独学で覚えたピアノの腕前を惜しげもなく披露。拍手喝采が会場に沸いた。最後に、村井信照実行委員長の謝辞をもって、全日程を終了した。

宮島の大鳥居
観光する参加者
草野会長によるピアノ演奏

本山國前寺全景

 

広島平和公園

 

 

 

 

路面電車にて広島駅まで乗車

 

厳島神社を参拝

 

 

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