霊断師先師への報恩と霊断布教の結束の誓い
日蓮宗霊断師全国大会「第38回山陰大会」が、10月4日・5日の両日、島根県大田市法藏寺(九識霊断法研究部長・堀江禎正団長)を会場に全国より65名余りの霊断師が参集し、厳粛且つ盛大に開催された。
霊断師先師に報恩の回向を捧げ、正法流布と霊断布教のさらなる興隆、会の発展のための総和の契りを誓った。
一日目
神々の集まる出雲大社神在月に参拝叶う霊断師
この全国大会は、創祖行道院日煌聖人、第二代天晴院日明聖人をはじめ、霊断師会先師先達へのご報恩と、全国霊断師各聖相互の親睦を図るとともに、正しいみ教え(お題目)が全世界の人々に弘まり、仏の国土の実現に向けて誓う大会として各支部の協賛を得て開催されている。
島根県は、創祖行道院日煌聖人とは深いご縁のある土地であり、大会に先駆け髙佐日瑞相伝宗主は、髙佐家の眠る島根県浜田市・妙智寺(酒井孝順住職)を墓参した後、大会に出席した。
今回第1会場となった法藏寺は、長い歴史のある名刹。午後1時より全国から参集の霊断師が着座し、草野法界会長を導師に先師法要が厳修された。
草野会長は奉告文の中で、日蓮大聖人さまの立正安国論を引用して、「『国土乱るる時は先ず鬼神乱る、鬼神乱るが故に万民乱る』がごとく、世相は乱れ、万民の心は安穏ならず」と述べ、「ゆえに九州豪雨災害・天変地異をはじめ、ついには北朝鮮による核実験・ミサイル発射など、常に事件事故の報道を聞かぬこと無し。我ら霊断師一同、創祖行道院日煌聖人よりたまわる九識霊断法の奥義を学び、多くの衆生の迷いから救っていかなければならない。創祖行道院日煌聖人のみ教えを明鏡として、立正安国と四徳波羅蜜の実現に向けて真の祈りを捧げる者でなければならない。全国より参集した霊断師は、先師の恩に報いるとともに、改めて正しい法を弘める誓願をたてて、絶やすことなく未来永劫に弘め伝えることを誓います」と述べられた。
続いて大会会場である法藏寺聖徒団・堀江禎正団長は、歓迎の挨拶をして先師法要を閉じられた。
続いて大会2部の霊断師決起大会に移り、髙佐相伝宗主より挨拶があり、座長に北関東布教区理事・江田智行師が選出され登壇。起草委員に中四国布教区・常任理事の大庭祥秀師、九州布教区・竹内曜良師が選出された。
はじめに草野法界会長より挨拶、続いて山崎浩道総局長より事業報告と会の現状説明がされた。最後に起草委員より決議文が読み上げられ、採択の後決起大会は閉式となった。
その後一行は、バスにて2007年7月に世界遺産に登録された「石見(いわみ)銀山世界遺産センター」へ移動。施設ガイドが価値と魅力、全体像をわかりやすく紹介し、周辺を散策後、宿泊の出雲ロイヤルホテルへと向かった。
午後6時30分より、懇親会が催され、法藏寺前住職・堀江宏正副大会長より挨拶、開催支部を代表して西尾弘道支部長が歓迎の辞を述べ、永江尚幸理事会議長の乾杯のご発声で会場内の懇親の宴は一斉に花開いた。さらに清興での「石見銀山天領太鼓」は観る者の目を楽しませ、結びに栂瀬貫晴理事会副議長の万歳三唱で閉宴となり、第1日目の日程を終了した。
二日目
2日目は今回、日蓮宗霊断師会として出雲大社に正式参拝することが叶い、髙佐相伝宗主と草野会長率いる一行は、9時にホテルを出発。9時30分より霊断師は正装にて拝殿で参拝。
神楽殿、御本殿の説明を受けた後、御本殿にて「2礼4拍手1礼」。一般的な神社では「2礼2拍手1礼」だが、出雲大社では手を4回叩くのが正しい作法とのことであった。これには、神さまに対し限りない拍手をもってお讃えする、という意味が込められている。
その後一行は、島根ワイナリーにて昼食後、出雲市駅と空港へ分かれて解散となった。
円俵山 法藏寺
開山上行院日尊上人が、山陰路で布教のおり、この地の医師清水道円が入信し、その穀倉を法華経の道場として、正安3年(1301)に創立された。
日尊は、全国に36の寺を創立したが、その西の要でもある。
700年前、この地は出雲より石見に通ずる唯一の街道の一角で、現在も町の守として大田市街地の北東、鬼門に位置し、繁栄祈願の道場となっている。
全山が椎の古木におおわれ、その中には日尊の杖から発芽したと云われる、県名樹百選に指定された名木もある。
境内には日尊の笈掛松、護符井戸、説法石、菩提橋をはじめ、宗祖四〇〇遠忌より六〇〇遠までの宝塔、六五〇遠忌の五重塔などがある。
庫裡は、十五万石の格式ある造りで、宝暦年間の建立である。
また、山道には2000本余りのつつじが植えられ、春をいろどっている。